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9. 休息(2)

2006年10月28日 13:29

中は思ったよりも広く、長いカウンターと階段を上がったところにあるソファ席、
地下にはビリヤードテーブルやビデオゲームが置いてある。
ソファ席の奥には暖炉が設えてあり、親しい間柄の人達が寛ぐのだろう。
まぁ僕には縁のないところだ。
足元が見えない位、暗い。
うるさいと思う一歩手前のボリュームでかけられるRock。
ん、なかなかいいね・・・

仕事帰りに立ち寄ったであろう人達の間に入り、
金髪の女性スタッフに(美しかった)Brooklyn Lagerを注文してみる。
あまり冷やされずに提供されるそれは、
アメリカで飲んだどんなビールより、文句なしに美味い。
ライトラガーばかりのアメリカ人には、ビールの味が分からないのかと思っていた。
「ポップコーンは欲しい?」
大ぶりの皿に山と盛られたポップコーンを摘まみながら、
4パイント(1パイント=0.47リットル)を飲み干して地下鉄の人となる。

一件目にして気に入る店に出会えた幸運。
この日は看板の改装中であったようだが後日、「Snafu Bar」という店である事が分かった。
(SNAFUとは本は軍隊スラング。
Situation Normal All Fucked Up = 異常なし、いつも通りメチャクチャの意)

この店には顔を覚えられる程度に通った。
(というか、気に入ってしまった為、他の店には行かなくなってしまった)

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↓飲みに行ってみたいなぁ。そう思った方は一押しよろしくです。↓

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8. 休息 (1)

2006年10月24日 00:14

毎日のように歩き回り、気候や習慣、言葉、この街自体にもようやく慣れてきたのかと思う。
全速力で走り抜けてきて感があった訳だが、息つく場所をまだ探してなかった。
宿り木と言えばいいのだろうか。
求めたのは、ゆっくり"酒"が飲める場所だ。
僕にはなくてはならない場所。
部屋で飲むビールは、ただ消費する為だけのものであって、
美味くもなければ酔える訳でもない。

日没が19時半位のこの時期、仕事が終わって外に出ても、
まだ十分明るさを保っている。
僕の嗅覚を惹きつけるところはないかと彷徨ってみた。
程なく47th St、3rd & Lex.AveにBarが見つかったが、看板はなく中は暗い。
(この日は看板が改装中であった。画像は最後に行った日に撮影)

外から見ると辛うじてMLBを流しているのが確認できる。
近くには日系の居酒屋風店舗も見受けられたが、この怪しげな店に妙に惹かれた。
危険かもしれないという思いは微塵も感じなかった。
入り口に立つ巨大な黒人男性を除けば…
(泥酔者や厄介者の排除にあたるスタッフだろう)
僕も小さい方ではないが、見上げるようなスタッフに一声掛けて、一瞥を貰う。

IDを見せろと凄まれるかと思ったが、どうやら入店を許されたようだ。

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閑話 .1 牡蛎始めました

2006年10月22日 23:44

ちょっと別ネタでも。

1週間ほど、どうも熱が引かない。
これで仕事してるから、えらくちかれる。
咳も鼻水も、喉の痛みさえない。
風邪ではないかも、って事で調べてみたよ。

該当する症状からすると、
何々?胆のう炎もしくは、すい炎でつか(推定)
ほほぅ、医者行く事も考えんといかんかね。
事ある毎に、酒は控えろって言われるから医者は嫌いで。
というか天敵と思ってる訳ですよ。
医者が好きな人もおらんと思うけどな。(ぷ

皆様、ご自愛くださいましね。

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7. キッカケ

2006年10月17日 03:00

講義も半ばに差し掛かった頃。
月曜、火曜とカオリは休んでいたが、水曜日に1時間程遅れて来た。
普段は遅れもしない人なのに。
タカはまだ来ていない。

風邪でも引いたのかと、僕はずっと気になっていた。
いきなり、「ビール付けますから、ノートをコピーさせてください。」
まだ本調子ではなさそうな彼女は、笑ってしまいそうなくらい低姿勢だった。
2日分、10数ページに渡ってびっしりと埋まった僕のノートを見て、
何これ?分からないところは解読してよね、と彼女らしいと思える反応を見せてくれた。
本心、僕は安心し楽しくなった。(僕は字が下手だ)
「読めなかったら、忘れても構わないよ。」
僕は約束した。

一方、タカは何時も遅れてくる。
僕より先に、別の講義で一緒にやっていた2人は、実は仲が良くない。
それまで彼女に、ノートを貸してくれとは言ったことがない、らしい。
カオリとタカの会話は、僕を経由して話しているようだ。
それが、僕が来てからタカはよく借りている。
僕がいれば断らないだろうという、彼なりの計算だと彼女は言う。
でも逆に彼がいたら、ビールとノートを交換してくれと彼女は言わなかったろう。
遅刻魔に感謝。

講義や課題で苦しむのとは別に、何か楽しいと感じられるようになっていた。

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6. 日常

2006年10月13日 00:37

講義と他愛無い、カオリやタカとの会話。
部屋にいるより余程マシな時間。
一人"独房"で飲むビールは、美味しい筈がない。
誰かとの係わり合いが、これ程落ち着くものだったか。

講義が終わると、会社からのメールを確認し仕事を片付ける。
これも課せられている日課だ。
どこにいようと関係ない。
WWWは国境も、時差も克服したようだ。
その向こう側に人は見えないのだから。

外に出ると、近くのある場所へ向かう。
お気に入りのNewYork・Public・Libraryと、隣接するBryant・Parkへ。
(昔は麻薬の注射針が散乱する、Needle・Parkと呼ばれていたらしい。
ここが舞台かは分からないが、アル・パチーノの『悲しみの街かど』っていう映画があった)
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そこを基点に、僕はひたすら歩く。
目にして気になったもの、気に入ったものを片っ端からカメラに収めた。
観光する場所など、何も考えて来なかったし、そんな時間があるはずもないと思っていた。
10数ブロック程も歩くと、部屋に帰りビールと共に課題をこなす。
そんな日を続けた。

後々、収めた画像と何も考えていなかった観光が、とても重要になった。

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5. 開始

2006年10月09日 23:39

研修が行われる、マンハッタンの中心部にあるビル。
グランド・セントラル・ステーションの1ブロック西にあり、
イースト川にもハドソン川にも、同じくらいの距離だろう。

講師と型通りの挨拶を交わし、短い説明を受ける。
コーヒーだけは、好きなだけ飲める事を嬉しく思った。
(アメリカのオフィスは大概そうだが)
僕が受けるクラスでは、本来業務の対象となる日本人生徒が、2人いるらしい。

まず一人、女性と会った。(カオリとしよう)
ここでも型通りの挨拶を交わし、型通りに名刺を渡す。
カオリは自立した感じの、よく言えばできる印象。
物憂げな感じもあり、それでいてハッキリした物言いをする。
休憩時間に日本の事などを軽く話す。

2時間ほど送れてきた男性とも挨拶を交わす。(タカとする)
カオリとは逆に頼りげなく、飄々とした感じだ。
不思議な人である。
何か聞いてもタカは、はぐらかすような話し方をした。

数日ではあるが、久しぶりに聞く日本語が耳に心地良い。
母国語には、やはり安心感がある。
僕自身が作ったであろう壁が、薄く低くなるのを感じた。

この二人と受ける講義は3週間。
限られた時間しかない。
ここまで来てしまったのだから。

僕が恐れたのは、孤独だったのだろうか。
慣れてるつもりでいたのだが…

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4. 散策

2006年10月06日 02:05

どうしようもない気分で目が覚める。
夜中に幾度となく。

そんな日を2日ほど過ごしたろうか。
まるで食欲も湧かず、殆ど食べる事もせずに眠っていた。
このまま無益に過ごしても改善する見込みのない僕は、
とりあえず外に出てみようと思った。

足元がふらつく。
そりゃそうだろう。
着いてから口にしたのは、日本で言うところの500ml缶ビールが12本。
「うん、我ながら…だらしない。」
言葉に出して自嘲してみた。
少し開き直れたような気がした。

マンハッタンへの地下鉄車内、
僕がここへ来る羽目になった理由の一つを考えた。
安全と危険の境目が分かるからだ、と言う。
そんなの認識してる訳がない。
臆病だから境目までも近づけないだけだ。
じゃあ、試してみようか。
邦人被害のニュースが、一瞬頭を過ぎる。

思いつくままに歩いてみた。
東西南北、気が向く方向へ、気が向かない方向へ。
どこが安全で危険なのか、まるで感知できなかった。
所詮マンハッタンの歩ける範囲など、殆どが安全なんだろう。
苦笑いが浮かぶ。

どのくらい歩いたか見当がつかなくなり、
夜と言える時間にようやく無事、部屋に帰ってきた。
手には近所に見つけたスーパーの袋を下げて。

この日は簡単に食事を済ませ、また何本かのビールを空け、
深夜まで意味の掴めない映画を見ていた。
なんとかこの国の時計に馴染み始めたようだ。
普通の人達とも、意識が合っているかを確認できた。
それでもまだ解消されない違和感を感じて、この日を終えた。

僕は何に対して畏怖を持っているのだろう。

翌朝、まだ時差ボケの残る頭を、無理矢理シャワーで起こした。

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3. 到着

2006年10月05日 00:03

ジョン・F・ケネディ国際空港。
到着したのは正午少し前。
これが国際空港なのかと思うくらい、閑散としている。

かつて留学経験のある僕は、当時ダラス・フォートワースに降り立ったが、
比べ様もないくらい人が少ない。
もっとも、その時の意気揚揚とした気分とも比べる意味はない。
まあ、それも14年も前の事だ。
きっと他のターミナルは、ずっと活気があったのだろう。

入国手続きを済ませて早々、勝手に荷物を持って行こうとする違法タクシーの運転手と口論した後、
エアートレイン、地下鉄と乗り継ぎ、やっとの思いでたどり着いた自分の部屋。
そこは僕の形容が許されれば、"独房"かと思える部屋だった。
自由の国で、自由に出入りできる独房。
その時の僕の気分にはちょうど良かった…

睡眠不足と疲労、言葉は通じても意思疎通が取れない人との諍い。
既に嫌気が差していた。
日本に帰りたいという思いを胃薬と一緒に飲み込みながら、
まだ外の光が入る明るい独房で眠りについた。

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2. 出国

2006年10月04日 01:27

年も明けて間もない、まだ寒い時期だった。
普段は寄り付かない本社から呼び出され、
重い足取りで山手線にある駅を下りた。
普段ならまだ仕事をしている、夜8時を回った頃だったろうか。

スーツには不釣り合いなグリーンの、
10数年来愛用しているM65をコートハンガーに掛け、
社長の前に腰掛けた。
ここから僕の憂鬱が始まった。

「ニューヨークへ研修に行って頂戴。
期間は3週間から4週間ほど。詳細は追って知らせるから。」

留守中の積み上がる要処理書類、何百件もの未読メール、
その他諸々の事が頭の中を支配する。
突然の決定事項。
僕のニューヨーク行きは、こうして決まる。
実に簡単なものだ。

それから何度か、なぜ僕なのか、
もっと若くて能力(と時間)のある社員がいるじゃないですか、
などと本意を翻すよう説得を試みたが、押し切られた形だ。
「あなたが適任なの。分かるでしょ?」
多分、僕には分からないです…
声にせず答えた。

研修という表向きの理由と、本来の仕事を抱えて、
数ヶ月を隔てた酷暑の中、機上の人となったのは、
まだほんの数日前のように思える。

この本来の仕事が今でも、僕の気持ちをニューヨークに残す事になる。

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1. 帰国

2006年10月03日 02:14

日本航空005便。
定刻より僅かに早く到着した成田は、まだ汗ばむ位の気温だった。

僕は疲れていた。
13時間の時差の彼方から、エコノミーのシートに括られていれば、それは誰でも苦痛だろう。
帰国便搭乗前の丸一日、寝ていない。
まぁ、これは望んでした事だ。
とにかく眠ろうと思った機内では、早々に睡眠を諦めた。
前日部屋を出る前に浴びたシャワーからも随分と時間が経ち、ベタ付く顔、髪。
同じ頃に磨いた歯も、重い荷物も、全部捨てたかった。

しかし朦朧とした意識の中にも、「ありがとう。」の言葉と共に受け取った感触は、しっかりと覚えている。

憶えているからなおさら、とにかく苛立っていた。
もう止めたと思った煙草を土産の中から一つ引っ張り出し、立て続けに3本、吸ってみた。
押し寄せる眩暈の中、僕は泣きそうになっていた。
「戻りたい…」繰り返しそう思っていた。

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